今回はChromebookでのゲームについての話題です。
現段階でもいわゆる「ゲーミング向け」のChromebookは存在します。ゲーミング向けと言っても、一般的なゲーミングPCとは少し趣が違い、NVIDIAのGeForce NOWのようなクラウドゲーミングをするためのChromebookという感じです。
ゲーミング向けChromebookの特徴としては、通常のChromebookよりも高いリフレッシュレートや、WASD・RGB搭載のキーボード、アンチゴースト機能などがあります。
ゲーミング用のChromebook「ASUS Chromebook Vibe Flip CX34」が登場 - Chrome通信
その路線とは別に、GoogleはSteamゲームをChromebookで動かす、というプランを長年に渡って進めています。昨年、Steamのアルファ版が正式にリリースされています。
Googleは昨年クラウドゲーミングサービス「Stadia」のサービスを終了していますが、Googleはゲーミング市場をあきらめたわけではありません。長らく噂されていた「ChromebookでSteam」がなかなか実現しなかったのはハードウェアの面で乗り越えられない壁があったわけですが、技術革新でやっと目途が付いたというところです。
そんななか、NVIDIA RTXグラフィックスを搭載したChromebookが開発中であるとの情報が入ってきました。
ChromebookとNVIDIA RTXグラフィックス
海外情報サイト「9to5 Google」によると、ChromeOSに専用のRTXグラフィックスを搭載できるようにする取り組みは、一年以上に渡り行われているようです。
最大の問題としては、ChromeOSはVM(仮想マシン)上でSteamゲームを動かすため、パフォーマンスを最大化するためにVMがグラフィックカードに直接アクセスできる必要があったとのことですが、見通しがたったというところ。
プロトタイプでは12世代のインテルプロセッサーをベースとしていたようですが、その後第13世代(Raptor Lake) へと移行しています。ちなみにコードネームは「Hades」、ギリシャ神話における冥界の神です。そしてHadesから派生した「Cora」と「Zeus」が現在開発中とのことです。
そしてHadesベースのChromebookにはNVIDIA「RTX4050」グラフィックカードが組み合わされるようです。これは未発表のGPUで詳細は不明ですが、既存のRTX3050よりも上位であることは間違いありません。
なお、RTXシリーズはGTXシリーズよりも新しい最新のシリーズで、リアルタイムレイトレーシングという最新技術が搭載されています。
Haswellおじさんの筆者は、それよりもずっと性能の低い「NVIDIA GeForce GTX 1650」というグラフィックカードを積んだWindows機(Core i7 4770搭載)でゲームをしていますが、重さそこそこのゲームでもフルHDくらいなら問題なし。それを考えると「RTX4050」というのは凄い性能です。
さらに、このゲーム用ChromebookにはDDR5 RAMも採用されているのですが、はんだ付けはされておらず、必要に応じてアップデート出来るようになっている可能性があります。
また、電源周りも2つ工夫が凝らされています。
まずは少なくとも1つのUSB Type-Cが最大240Wの電力が使える「Extended Power Range」をサポート。
加えてChromebookがバッテリーをバイパスして充電器からの電力で直接動作する方法が組み込まれているとのこと。つまり、ゲーム時にバッテリーを使わないことで発熱や摩耗を防ぎ、バッテリー寿命が短くならないようにするというものです。
NDIVID RTX GPUが少なくとも2台のChromebookへ採用される予定 まとめ
GoogleとNVIDIAはこの取り組みにかなりの労力を費やした模様です。上記の情報が正しければ、これまでの常識を大きく覆す、本格的なゲーミングPCに勝るとも劣らないChromebookが誕生する可能性があります。
とはいえ、まだこの取り組みは本格化したばかりで、リリース時期などについては未定。おそらくは来年以降になるものと思われます。
ただ、ゲーミング以外にも役に立ちそうな「Extended Power Range」のサポートやバッテリーのバイパス機能などは、通常のChromebookにも搭載されるかもしれませんし、これにも期待したい。
事態の注視を続けたい。
ソース:9to5 Google